動物と話せる女性ハイジ VS 天才イルカ ナミとニーハ
「天才!志村どうぶつ園」 2012年7月21日放送
動物と話せる女性・ハイジは、
その力でこれまでに、数々の動物と向き合ってきました。
そんなハイジに今回依頼をくれたのは、
長崎県佐世保市にある水族館「海きらら」。
そしてハイジに話を聞いてもらいたいというのが、
二匹のバンドウイルカ、ナミとニーハ。
実はナミとニーハ、国内では、
「海きらら」でしか見られないという技を成功させた
とてもすごい二匹なのです。
その技とは、
片方が空中でボールを投げ、もう片方がそのボールをキャッチする
空中キャッチボール。
ナミとニーハの息がぴったり合わないと成功しないという
とても難しい大技。
実はこの空中キャッチボールの最中、
ナミとニーハが、ある驚きの行動をとっているというのです。
イルカ担当飼育員の池田比佐子さんによると、
「ナミが投げてニーハがキャッチするという種目なんですけど、
ナミがですね、飛び出してボールを投げる直前に、
水中で音を出してることがあるみたいなんですね」
「で、音を出すときは、ニーハがキャッチする成功率が高くて、
音を出さない時には成功率が低いみたいなんですね」
実際にその音を出す瞬間を撮影した映像を見ると、
「ピューイ」と確かに高い音を出してることがわかりました。
この音を水中で出した時の空中キャッチボールの成功率は、
2回に1回成功する50%!
ところが、
音を出さなかった時の成功率は5回に1回という18.4%。
これまでの専門家の研究によると、水中で音や声を出すことで、
お互いが仲間のイルカなのか、違う群れのイルカなのかを確認していることは、
知られているのです。
常磐大学 中原史生教授
「ナミが出す音が『かけ声』や『合図』のようなものであるとすれば、
そういった役割が確認されるのは、おそらく世界でも初めてのことなんではと思います」
本当にかけ声なのかどうかは専門家の方々の研究や実証が必要です。
とはいえ、まずはハイジの話を聞いてみたいというのです。
それにしても、なぜ声を出す時と出さない時があるのでしょうか?
そして、その鳴き声にはどんな意味があるのでしょうか?
ハイジが海きららの魚たちの感情を読み取る
ハイジは早速、池田さんの案内でイルカたちが待つプールへ。
と、その途中で…、
海きららの大水槽の前へ出るハイジ。
ハイジ
「とっても綺麗ね」
すると大水槽を見つめていたハイジが…。
ハイジ
「何かしら…?」
「たくさんの声が聞こえるから、どの子の声かも分からないし、
うまく言葉に出来ないんだけど…、そうねぇ…、
『なんだか今日は居心地が悪い』、そんな感情が伝わってくる」
すると、それを聞いていた魚類担当飼育員の岩岡千香子さんは、
「実は、今日はこの水槽の中でいつもと違うことをしたんですよ。
いつもはガラス面とかを飼育係が2名入ってお掃除するんですけど、
今日は4ヶ月ぶりくらいに砂を動かすっていうお掃除をしたので、
実はちょっとだけお水の中が濁ってます」
…と。
続いてハイジは…。
ハイジ
「あらあの子…」
水槽の中で泳ぐタマカイに、何かを感じ取ったようです。
ハイジ
「あそこにいるあの大きな子。…ほら、近づいてきたわ」
「私が気持ちがわかることを感じとってるみたい」
「それで、すごくアピールしてきてる」
「言葉にすると、そうねえ…、
『僕は他のやつと違って偉いんだ』、そんな感じよ」
魚類担当飼育員 岩岡千香子さん
「たしかにこの子は、もう16年目なんですけども、
飼育係がみんなですごく可愛がってきた魚で、
餌も手で上げるくらいすごいなついてて」
イルカ担当飼育員 池田比佐子さん
「水族館の主のようなお魚ですね」
ハイジ
「でも不思議な子ね。この子は魚なのに、
まるで犬や猫のように人間に対して好き嫌いがあるみたい」
「それで、『ご飯をくれる人を代えないでくれるかな』って言ってるわ」
魚類担当飼育員 岩岡千香子さん
「新しいスタッフからの餌は食べません…」
「餌をやるとき、飼育員を見てるんですね。で、新しい人だったら素通りする。
ちょっと甘やかしてるかなっていう気はしますね(笑)」
さらにハイジは、
まるで周りの風景と同化したかのように動かないオニオコゼの元へ。
ハイジ
「面白い子ね。何かをしゃべっているというよりは、
心の中で思っている感情があまりにも強いから、それが伝わってくるの」
「低い声のイメージで、『見えてないよな?見えてないよな?』って(笑)」
「ご飯が来るまでじっとしているつもりみたい」
番組スタッフ
「実際そういう魚なんですか?」
魚類担当飼育員 岩岡千香子さん
「そういう魚です。ジーっとして魚が来たらパクっと食べます」
「エサが目に前を通らない限り動かない」
でもハイジはよっぽどこの魚が気に入ったようで…。
オニオコゼに意識を集中するハイジ…。
すると…、
イルカ担当飼育員 池田比佐子さん
「あ、歩いた…。すごいこっち向いてる…!」
魚類担当飼育員 岩岡千香子さん
「動きましたね」
ハイジ
「顔を見せてくれない?ってお願いしてみたの」
「やってくれるとは思わなかったけど」
「コンニチハ。とっても可愛い顔をしてるわね」
そしていよいよ、ナミとニーハの元へ…!
ハイジがナミとニーハの驚きの感情を読み取る
一体ハイジは、イルカのナミとニーハから、
何を読み取るのでしょうか?
早速ハイジが、イルカたちへ意識を集中し始めたその時…!
ハイジの姿を見たナミが突然岸に上がってきたのです。
もちろん飼育員さんは一切指示は出していません。
ハイジはイルカに向かって声をかけます。
ハイジ
「そうよ、わかるのよ」
ハイジと飼育員さんに対して体を横にむけているナミ。
ハイジ
「そう。そっちの方がよく見えるのね」
どうやら横向きのほうがハイジの事がよく見えるようです。
さらに…。
ハイジ
「あら、あの子も」
プールの中にいるニーハもしきりに鳴いています。
番組スタッフ
「ハイジさんはこれまでイルカと話したことはありますか?」
ハイジ
「ええ、あるわ」
「イルカはとても賢いだけじゃなくて、想いを伝えてくる力がとても強いの」
「前にイルカと話した時は、その強い感情に引っ張られて、
一緒にプールに飛び込みそうになったことがあるわ」
「本当は今も一緒に泳ぎたいくらい」
「それにイルカは、他の動物よりも早口で、伝えたいことが次から次へと溢れてくるみたい」
「まるで5歩も6歩も先のことを考えているようで…」
「他の動物よりもわかりやすい言葉で語りかけてくるの」
すると、ナミが体を回転させてハイジに何かをアピール…。
ハイジ
「『ねえ遊ぼうよ』って言ってるわ」
そしてプールに飛び込んだナミがボールを持ってきて、ハイジにパスを。
そのボールをナミに投げ返すハイジ。
そしてまたそれをハイジに投げるナミ。
バスケのシュートのポーズでナミにまたボールを投げるハイジ。
(ちなみにハイジは元バスケ部)
動物と話せる女性ハイジ VS 天才イルカ
日本初だと言われた空中キャッチボールを成功させた二匹のイルカ、
ナミとニーハ。
ボールを投げる直前に、水中で声を出したり出さなかったり、
一体その鳴き声にはどんな意味があるのでしょうか…?
イルカたちに意識を集中するハイジ。
すると…、
ハイジ
「そうね。2匹は随分性格が違うみたい」
「ナミはイルカのショーに出ることを、まるで遊びのひとつのように捉えているわ」
「それに比べてニーハは、少し真面目な性格ね」
「ショーに対しても責任感のような感情があって、
『うまくやって皆を喜ばせなきゃ』って思ってるみたい」
「もしこの子たちがコメディアンなら、ナミがおどけてニーハが真面目な…、
そういうの日本ではなんて言うんだったかしら?」
イルカ担当飼育員 池田比佐子さん
「ボケとツッコミ…」
「なるほど(笑)。いいコンビネーションなんですかね」
ハイジ
「そうだと思うわ」
そんなおどけていて明るい性格のナミ。
水中でボールを投げる直前に出している音にはどんな意味があるのでしょうか…!?
ハイジ
「もしかしたらナミは、ニーハより運動能力が高いんじゃないかしら…?」
イルカ担当飼育員 池田比佐子さん
「たしかにナミの方が高いです」
ハイジ
「そのことをナミはちゃんとわかってて、ニーハを助けるように、
ジャンプをする直前に水中でこう言ってるの。
『今よ!飛んで!』って」
「だからこれは、ニーハに対するかけ声なんだと思う」
「そして、そのかけ声のトーンには、いろんな感情が込められているわ」
「『頑張れ』って応援するような気持ち。『大丈夫?』って思いやるような気持ち」
「そして『成功させよう』って導くような気持ち」
「すごいわ。イルカはたった一言にこんなにもたくさんの感情を込める事が出来るのね」
では、なぜ声をかける時とかけない時があるのでしょうか?
ハイジ
「ナミはまるで、スポーツのコーチのような気持ちになっていて、
だんだんニーハがキャッチできるようになってきたから、
『もう合図をしなくていいよね?』って時々思うみたい」
「そしてニーハも、『出来るからもう言わなくていいよ!』って、
ちょっと意地になってるところがあるの」
ハイジが読み取ったイルカの複雑な感情。
もちろん学術的には100%は解明されていません。
でもこの動物が、
人間に近い豊かな感情を持っていることはたしかなようです。